地元素材「アオサ」で染める。
まだ、詳細ご紹介出来ないのですが、
これから何回か、地元素材での染めに挑戦します。
その第1回目、「アオサ」
地元、横浜海の公園の砂浜に打ち上げられていた潮の香たっぷりの「アオサ」

海から打ち上げられた、「アオサ」染に挑戦してみます。
実は、海のモノ、今までにも何回か挑戦したことが有り
色は着いても、洗うと流れ落ちるように、色が抜けてしまい
海のモノでは「染まらない」、という自論。
<過去の染裕ブログより>
ひじき染め(2010/4月頃)
https://blog.somehiro.com/20100429-3/
アメフラシ(2009/1月頃)
https://blog.somehiro.com/20090119-2/
https://blog.somehiro.com/20090125-2/
https://blog.somehiro.com/20090125-3/
https://blog.somehiro.com/20090130-2/
ただ、染めた人がいる、染まった実績がある、と聞くと
染人としてのサガがウズいてきます。
今回の作業レシピ
・染の素材:地元、横浜 海の公園の砂浜に打ち上げられていた「アオサ」約1.5kg
・染める素材:綿(晒生地)、※後から絹のショールを追加
・媒染材:ミョウバン、錫、銅、木酢液、鉄

1.洗う
とにかく「塩分」と「砂」は染の邪魔になるので、徹底的に洗い流しました。
井戸水大活躍!流しっぱなしにしながら、お米を研ぐような感じでジャブジャブ。
潮の香がいっぱいに広がります。夏の終わりなのに、海の家にいるような錯覚。
ゴミを取り除きながら、「アオサ」を観察。ヌルっとした不思議な手触り。
ところどころ、色が抜けたような、白く見える部分もあるけど、色素あるのか?
洗った水がきれいに見えるまで、2~3時間くらい流し水に。

2.煮だす
ステンレスの鍋に水3Lを入れ、弱火にして色味が出てくるまでグツグツ煮込みます。
時々かき混ぜながら液をチェック。コレも2~3時間くらいでしょうか。
色味が出てきましたね。家中が磯の香りに。ナゼか、この?磯?潮の香りを嗅ぐと、焼きそばが食べたくなります。
あれだけ水洗いしたのに、この匂いだと、塩分が相当残ってるなぁ、恐る恐るなめてみると、
何と、全然しょっぱくない。えっ、この匂いはどっからくるの?塩分じゃないのか、不思議な気持ちに。
今回は2回液をとりました。一番搾、二番搾りです。
「アオサ」にはまだ色素残っているみたいなので、2回目は、スプーン小さじ1.5杯の重曹(アルカリ)を入れてみました。

3.染める
日本茶のような「薄い黄緑色」の染液が準備出来ました。
媒染材は、真ん中の写真左から、ミョウバン、錫、銅、木酢液、鉄、の媒染を用意。
染める素材は、晒生地(綿)15cmのハギレ5枚
※綿の晒は、前処理として灰汁抜き後に、呉汁(無調整豆乳1:2水)に漬けて乾かしています。
20分程、50~60度の染液に漬け込み → 媒染材に20分漬け込み、の繰り返し。
最初の1回目は全部一緒に漬け込み、2回目からは色が汚染され似通ってしまうのを避けたかったので
2つに分け、左下の写真、上左から「ミョウバン」、「錫」、「銅」の先行チーム、
下左から「木酢液」、「鉄」の後攻チームに分割

合計で5回(1.2.3回目は1番液、4.5回目は2番液)染めました。
2番液(写真右側の手前側)は、やや薄く黄味が鮮やかな液。
弱火で50~60度をキープしながら、染重ねていると
ムセるくらいのの潮の香りが、だんだんと、大人しく、上品な香りに変化してくる。
思わず、忘れないように手帳に書き留めたメモ
“ 悟りをひらいた修行僧のような、高貴な匂いにつつまれています ”
↑どんな匂いだって、自分で突っ込みたくなります(笑)
この匂いは嫌いじゃないぞ。上質なお香みたいだ。
スゴイ変化だなぁ。ちょうど8月の終わりから9月になる時期だったので
夏の終わりを感じながらの「アオサ」染になりました。

媒染材に浸かっている時は、色の違いがはっきり分かります。
布が乾いた状態でも、染まってくれていると良いのですが。
搾り取った後の、残りの「アオサ」。まだ色素が残っているようです。
スゴイなぁ、もっと強火でグツグツでも良かったかもとも思いつつ、
溶けてしまいそうで、この位で止めておく、が良かったのかな、とも思いつつ。
煮込む前にあった、色抜けの白い部分
煮込むと、見当たらなくなりました。不思議だなぁ。
草木の緑は煮込むと、黄色か茶色に変色するのに「アオサ」は緑が残るんですね。
ここから先は、おまけなんですが
乾いた生地を見ていたら、綿は、ほぼ染まっていない。染まっているけど、薄い。
あぁ…。まだ液残ってたなぁ。急遽、残りの液で絹を染めました。

絹のショール10回染です。
残りの液だったので、薄かったのが残念ですが、やっぱり絹はよく染まる!
1番液3回(ミョウバン)、2番液2回(銅)の5回で一度乾かし、1番液3回(銅)、2番液2回(ミョウバン)の
気合の10回染です。生地に凹凸がある絹ショールが、上品にそまりました。
写真左から、絹(10回染)、綿の晒生地(5回染)、ミョウバン、錫、銅、木酢液、鉄、の媒染です。
「アオサ」。想像していたより、染まりましたね。
しかも、残り液からの匂いも、染まりの色合いも、上品。
海の恵みが凝縮された、
何か、悟りをひらいた後の、エグミの抜けた上質感。
表現が難しい、この深みのある味わい、化学染料には出せないモノだなぁ。
「アオサ」、ポテンシャルを感じます。
染、改良できる事があるかなぁ。
きっと、もっと、
「アオサ」の良さを引き出す事ができそうだなぁ。
ブツブツ…
アオサに残っていた海の潮の香、煮込まれ、生地に吸い込まれるように消えていき
生地には、薄いながらも上品な色味と香りが残る、不思議な染体験でした。

