読書忘備録_20190110

空に向かってかっ飛ばせ!
未来のアスリートたちへ

著者:筒香 嘉智
出版社:文藝春秋

確かインタビューで、
打席で集中するとピッチャーの中に入っていく感じになる時があって、その感覚を持てると打てる、みたいなコメントを発言していて、
筒香選手の事が気になっていました。
なかなかすごい表現するなぁ、普通の野球選手じゃないなぁ。
(ヒーローインタビューでは“普通です”を連発していますが…)
ハマスタ見るバッターボックスでの佇まいにも堂々とした風格を感じます。

この本は思っていた以上に、筒香選手の“声”を読み取る事ができました。
本当は、未来のアスリートたち(今の子供達)に向けて、長い練習時間や根性論での監督コーチの意識改革を発信したかったようですが、野球ファンとしても、一流を目指す自己啓発的にも興味深い内容が書かれていました。
気になった部分を書き留めておきます。

P101
逆方向にしっかり打つとは、いわゆる当てて流す感覚とは少し違って、しっかりと厚いインパクトを作って打ち返す作業です。そうやってボールを呼び込みながら捉える感覚を磨くことは引っ張って打球を打つことにもつながっていきます。
 日本の野球の右打者のいわゆる“右打ち”は、手先でバットの面を操作してボールを反対方向に打ち返すいめーじになりがちです。そうではなくて、フィールドを45度ではなく90度使えるバッティングを身につけるために、逆方向に打球をしっかり打てる技術は絶対に必要なのです。

P104
集中するには、無意識の中の意識を持つ

ただ、もっともっと向上する方法はあると思います。それは守っているときでも、打席に立っているときでも、同じボールの待ち方があるからです。
 どういうことかというと、ひとことで言えば気持ちが入って一つに集中していくのではなく、視界がどんどん広くなっていくような集中力を身につけることです。
-中略-
視界が一つに集まっていくのではなく、むしろどんどん広がっていく。そして、意識しないでも周囲のいろんなものが見えるようになっていく。
 それが僕の考える集中した状態です。
-中略-
ただ、「やるぞ」とことさら気持ちをむけるのではなく、そういうことをやろうとしないでも自然に次の準備が整うようにしたい。無意識の中の意識。それができれば一番、集中した状態になれるということです。

P126
一番大事にしているのは、バットを持って投手と対したときの構えです。
実際にボールを打つのはインパクトの瞬間ですが、構がずれてしまえば絶対にバットの芯では打てません。
インパクトがずれているときは、実はその原因はバットのトップの位置にあると思います。トップがずれている原因を追究していくと、結局は構になるのです。―中略―
構えの他にもう一つ大事なことは、重心です。
 今の僕は、身体の重心を正しく意識でき、構えができていれば他のことはまったく気にならなくなっています。だから、構えたときに「重心はどこかな」、と探っている時は、結果はおおむね良くないことになります。
―中略― しかし僕がつねに考えていたのは、もっといろんなことに気づけるセンサーを増やしたい、ということでした。
 センサーというのは、感じ取る力ですね。

2018/08/30 横浜スタジアムで撮影

筒香選手がバッターボックスに入ると、
周りの空気が静まる感じがします。

鋭いスイングでスタンドに吸い込まれる弾丸は、
宇宙戦艦ヤマトの波動砲のように
周囲のエネルギーもボールに乗り移る様な驚異的なスピードです。

昔の侍の様な、何か達人の域を感じて今後の活躍が楽しみです。

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