桜散りはじめの公園で
杖を持つ老人と
その半歩前を連添う人とすれ違う
老人と目が会った瞬間
死期が近い事が伝わる
今年が最後の桜。
目線は僕に向いているけど
見ている世界はこの世界ではないらしい
老人に
この桜は見えていたのだろうか
桜の花びらを踏みしめて歩きながら
誰もが死に向かっている事を
再認識する
長くは留まれないし
多くは忘れてしまうけれども
大切な思い出は残るのか?
20年前の
学生時代のスケッチブックを眺めていたら
今日の出来事とシンクロするコラージュを見つけた
20年前には
見れなかった世界を感じ
大切な思い出も増えていけるなら
年を取るのも悪くはない。