加藤周一 その人と映画

 しかしそれだけではない。加藤周一 幽霊と語る

今日、見てきました。この映画
「しかしそれだけではない。加藤周一 幽霊と語る」

さあ、どっからいこうかな、
まずはこの映画の感想から。

タイトルが、幽霊と語るなんて加藤周一をご存知ない方は
これ、オカルト映画??なんて思うかもしれませんが
氏は自分にも多大な影響を与えてくださった評論家です
(昨年12月に他界されました)

生きた人間は時代背景で思想が変化し、
時空をクロスした判断には「幽霊=思想が変化しない」との
対話でないと統一性が保てない、といった考えで
様々なジャンル、時代から今の日本をあぶり出す、そんな
氏の最晩年の語りを中心に進行するドキュメンタリー映画です。
(自分の解釈に主観が混在してるかもしれませんがご容赦ください)

ご自身の体験を元に、
戦死された友人と生き残った自身との深い思考。
そこから突き動かされる行動。学生達との対話。
これからの「日本」という国、特に憲法9条を中心に
晩年に構想していた姿がこの映画には映しだされていました。

ここからは、まったく個人独断の感想です。

この先30年くらいは輝き続ける「生きる糧」みたいな言葉が
この映画にはちりばめられている気がしました

失われたXXXと言われますが、日本人にとって
藍染の筒描が庶民の生活から消えていった頃から
(ゴーインに藍染もってきました!)
何かが失われてきたような気がしました

「個人の意識が全世界に意味を与える
ひとりの男に全世界の意味を与える事ができるんだ」
予告編にある言葉、重たいです。

前後省略しちゃうけど、
「富士山が世界一の山」という発言に憤りを感じる
~世界を知らずに、うぬぼれた判断に、、というニュアンスで
氏の一面が見れた気がしました

見る人に、たくさんの投げかけ
があると思います。

帰りの電車の中で、昔見た映画や本がフラッシュバックされて、、、
映画「わが青春に悔いなし」黒澤明
映画「戦場のピアニスト」
「夜と霧」V.Eフランク(今検索して知ったけど、映画があったんだ、、)
めちゃくちゃな例えですが、こんな映画や本の要素で出来た浮き輪が
溺れる自分に投げられ、君は嵐の水面(現在の情勢)に耐えられるかな?
と問われている気分になりました。
(我ながら、めちゃくちゃな例えですが。。)

この映画について詳しくは公式サイトご覧ください。
(この映画は上映依頼を求めている様です)

不思議だったのが、この映画の協力で
スタジオジブリとウォルト・ディズニージャパンの文字が並んでいるんですよ~
映画の中で関連の事は全くなかったと思います。何でだろう。。

すっごい願望ですが、次回の宮崎作品では
千と千尋の、湯ば~ばみたいなキャラクターで
加藤周一氏を仙人にして、氏の思想を子供達に伝える、
そんな映画をジブリにつくってほしいなあ。。。。

加藤周一 新聞の記事より

この映画を知ったのが、こないだの新聞広告だったんですが、
正直、この紙面をみて叫びましたよ!え~っ!!!!!!!

ついこないだ、自分の手書きプロフィールを作成したんですが
美術の世界を目指したきっかけは、高校生の頃に見た
「日本その心とかたち」だったんです!

こないだの自分のブログで
「過去につながるリンク」と「未来につながるリンク」
みたいな “つながり” がありそうです。とはこの事だったんです

ちょっと難解な事もあって、正直今でも100%理解しているとは
思えないのですが、加藤周一さんのしゃべりや、その内容は
高校生の自分に稲妻が落ちる位の衝撃があって、、、
自分も日本の、美術の世界に進みたい!と決心させるモノがあったんです。

プロフィールを書きながら、懐かしいな。。なんて思ってたら
数日後にこの紙面ですよ!!そりゃ~驚きましたよ!!!!!
もう20年前くらいの事なのに!えっDVD発売、え、映画もするの!!

しかも、姜尚中さんがコメント寄せてますよ。
いやいや~、驚きました。。。。
もう、長くなったので今回は省略しますが、姜尚中さんも
穏やかな話し方にもとても魅力を感じています。

この本がキッカケでした!

これ、僕が持ってる
「日本その心とかたち」がまとまった本のシリーズです。
自分の制作のネタ本みたいで、影響大です。

今日は上映会後に、トークショーもあって行ったのですが劇場は満席。
(トークショーはなかなか興味深いお話を聞けました)
次回の会もたくさんの行列だったので、関心をお持ちの人や
加藤周一ファンはたくさんいらっしゃるんだな~と、改めて思いました。

朝日新聞に連載されていた「夕陽妄語」もなんとなく読んではいたのですが、
記事として読むには難解なイメージだったり、他の著書には手が出なかったのですが
今回、映画を見てまたシビれてしまいました。

「日本文学史序説」から加藤周一氏を読みはじめてようっと。
ん~。。。もう、これって人に読んでもらいたいんじゃなくて
自分の備忘録で、これから読んだり見たりした映画は
なるべくブログに残していきますので、そのへんは
適当におつきあいください。。。。

ただただ、加藤周一という方は
とても素晴らしいコトバを残されましたので
興味を持っていただければ、是非!
この映画と「日本その心とかたち」
はおすすめですョ!

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