タペストリー『 渦 』の紹介ページをつくりました。
この作品は 多摩美術大学 染織デザイン科の卒業制作
で1995年に制作したものです。
ずっと丸められた状態だったのですが、昨年の金沢文庫芸術祭の
ステージ装飾として数12年ぶりに光を浴びました。
たくさんの方から
「どうやって創ったんですか?」
と尋ねられ説明をしていたのですが、うまくお伝えできませんでした。データやファイルの整理をしていたら、忘れていた制作時の資料が出てきましたので、紹介ページとして改めてまとめたものを掲載しました。
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資料を見ていたら、
いろいろな事を思い出しました。
以下、せっかくなのでコチラでも補足+αを少々。。。
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1995年当時、オートバイでツーリングしながら
各地の染織工房に自分の制作ファイルを持って
訪ね回っていました。どこか気に入った工房を見つけ
染色職人として働きたいと思っていました。
各地を見て回るうちに、だんだん失望してしまいました。
当時は「みやげもの」と「着物」を創っている工房がほとんどでした。(現在は魅力的な工房はたくさんあると思いますが。。)
そんな中、北海道で出会った優佳良織や
アイヌ民族の工芸品は美しく力強い印象を受けました
自分の頭の中では、現代とズレた職人的意識への決別や
『渦巻く文様の圧倒的な力』への畏怖や敬意、
当時、圧倒的な影響を受けた作品、音楽たち
(村上龍「5分後の世界」、ソウル・フラワー・モノノケ・サミット、HEATWAVE山口洋、エレファントカシマシ、の文章/言葉/音楽などなど)
それからバイクで各地を走っている時に感じた
いろいろな思いを込めて『 渦 』を制作しました。
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『 渦 』は多摩美 染織デザイン科の卒業制作だったのですが
第2回 東京デザインセンター新人賞にノミネートされるも
受賞を逃し、とてもニガイ思いを経験しました。
悔しくて、授賞式に参加し審査員方に
受賞出来なかった理由を尋ねました。
ある方から「君のそんな真面目さが作品の弱さだ」
といったコトバをいただき、帰りの五反田駅のホームで感じた
悔しさの感情は今でも重たく自分に染み付いています。。。
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さて、いろいろと書いてしまいましたが
金沢文庫芸術祭という、すばらしい会場で
『 渦 』が光と潮風と緑の中
踊りや音楽や歓声と一緒に揺れている姿は
本当に嬉しい光景でした。それを美しく感じて頂けた感想をいただき、うれしいかぎりです。
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エネルギーを集めて、微塵の後悔ない様作品に注ぎ込む事
それをキッチリと、第三者にお伝え出来る様にアピールする事
そんな大切な事を、今回の紹介ページを創りながら
改めて感じました。