とても寒い日、大寒の頃
子供達が釣りに行きたいと言い出し
どうしても行きたいと行きたいと言い出し、
しかたなく実家の物置から
何十年かぶりに釣竿を取出し葉山の海へ出かけました。
案の定、子供達はすぐに釣りに飽きてしまい
釣竿を海からあげて遊び始めてしまいました。
そんな時
釣竿が大きくしなり、動き始めました。
なんだこれは!と思った瞬間
青い鳥が羽ばたき、暴れ始めました。
青い鳥がエサをついばみ、くちばしに針がかかってらしいのです。
ああ、大変だ
普通でない気配を察知し、子供達は逃げ出してしまいました。
糸をたぐり寄せ、ちょっとおとなしくしてくれよ、
針が外れるかなぁ、暴れ回る青い鳥を掴み
くちばしの針をなんとか取り外し
ふぅ、よかった。
さっきの小魚みたいに針を飲み込んでしまったら
どうしようかと思ったよ。気をつけなよ。
と心の中でつぶやき、鳥を逃がしてやりました。
掌の中には、
針を飲み込み息絶えた魚の振動と
青い鳥の動き回る感触が残ってしまいました。
その夜の事
夢の中に神様が降りてきました。
靄の中、白い衣装をまとった膝下しか見れませんでしたが
こう言うのです。
今日、おまえが感じたあの掌の振動と感触は
「 デドコロ ノ ハジマリ 」といって
これから大きなエネルギーが出入りしはじめる
ひとつのきっかけの出来事だと。
それは良い事でも悪い事でもない。恐れる事もない。と
何か、とても象徴的な出来事で
夢から覚めてもあの掌の振動と感触が
自分の中に刻まれた様に感じてしまいました。