最近 読んだ本や見た映画の感想です。
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「食品の裏側」を読んで
最近、妻が食に関する本を読みあさっていて
おすすめだよ~のひと声で読んでみました。
食品添加物の専門商社のトップセールスマンだった著者が
(↑こんな職業があるのもビックリでした)
世の為と喜びさえ感じながら取り組んでいた「魔法の粉」-食品添加物-
ある時、娘さんの誕生日に自身が開発した
添加物たっぷりのミートボールを、自分の子供達に食べさせてはいけない
と仕事を辞め、「添加物の翻訳者」になるべく
この本では現状を詳しく解説してくれています。
僕には染めに関する状況も多少の差はあるものの
同じ様に感じられて、染めに置き換えて読みました。
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例えば「しょうゆ」について
○昔ながらの本物しょうゆ(丸大豆しょうゆ)
大豆と小麦と塩とこうじが原料。こうじからつくられた
酵素がタンパク質をアミノ酸に、でんぷんを糖質に変え
これがしょうゆのうまみの素。手間と時間がかかり、
完成には一年以上の歳月が必要。(例1リットル1000円)
○しょうゆ風調味料(新式醸造しょうゆ)
たんぱく質を塩酸で分解してアミノ酸をつくり
「グルタミン酸ナトリウム」(化学調味料)でうまみ
「甘味料」「酸味料」「増粘多糖類」でとろみ
「カラメル色素」で着色、香りつけに本物の醤油を少し入れ
「保存料」をくわえて完成。混ぜるだけなので
一ヶ月もあれば完成。(例1リットル198円)
これ、「藍染」に置き換えると
○江戸時代から続く 天然灰汁醗酵建藍染(本藍)
原料に?(すくも)を用い灰汁、石灰、ふすま、日本酒
といった醗酵の助材のみを用い、温度管理、液の状態を
日々調整しながら手間と時間をかけ、醗酵の力で染めが可能な液に
10日~2週間程の期間と温度調整や熟練の技術が必要。
また、すくも製造や灰汁取りにも(染めの前段階)で
大変な時間と手間を必要とする。(例 Tシャツ1着1万円)
○インジゴピュア 化学建て(化学藍)
原料はインジゴピュア、苛性ソーダ、ハイドロサファイトが
基本原料で短時間(1時間もあれば)で染色可能。
(例 Tシャツ1着3000円)
こういった違いがあるんですね
ただ「しょうゆ」と違うのはあくまで
しょうゆに似た味を添加物でつくりあげたのが
「しょうゆ風調味料」に対して藍染の場合は
化学式的にはどちらも藍染(インディゴ)なんですね
天然藍の方が複雑な色味があったり、染める液のPHに
違いがあっても、着用しているだけでは
なかなか違いがわかりません。
(最近、なんとなくで、こんな感じが~はあるんですが)
シリアス染料など、他の染料で藍染の色に似た
染めをしているなら「しょうゆ風調味料」みたいな
「藍染風染色」と言えるんだろうけど、
インジゴピュア化学建てはそうではないんですね。
逆に不純物のない純粋なインジゴなので
澄まし建って呼ばれるくらいで、
濃く染まったりと良い部分もあると思います。
(藍染につきましては、染裕独自の考えも含まれておりますので
記載に不適切や間違いが含まれるかもしれません。ご了承ください。
確認出来れば修正いたしますので間違った解釈は御指摘ください。)
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(追加記載)
しょうゆは例えがわかりにくいので、もう一度流し読みして
「天然だし」と「グルタミン酸ナトリウム」の例えを追加します。
「グルタミン酸ナトリウム」に関しては、グレーゾーンの部分大で、
詳しい記述は省略しますが
「添加物は職人要らず」
しかしそれは(添加物を使う事は)職人にとって「魂」を売ると
同じでいいでしょう。
という文章が有り、染めの世界でも同じ様な解釈はできるかもしれません。
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染の方法や原料を、ここまで詳しく表示して
販売している所は少ないと思います。
染裕ではいろんな方法を用い、染めるモノによって
使い分けていますが、いつか食品の添加物と一緒で
街で売られている特売品のTシャツなんかも
どうやって染めたのか、消費者が気にする時が
訪れるんじゃないかなぁ。
これは染める方の責任でもありますので
染裕製品はなるべく詳しく解説を心がけたいと思います。
この本を読んでそんな事を考えました。
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映画「インディアンランナー」
-時間と空間を超え使者はメッセージとなる-
この言葉染み込みました。見終わって重たかった。
映画「浮草」
小津映画の中で、ちょっと違うみたい、自分が好きな
小津作品とは何かが違う。
評価:
安部 司 東洋経済新報社 ¥ 1,470 (2005-10) コメント:ビックリしました。知らないよりは知っていた方がいい。興味をもったら他にも調べてみればいい。ただ、何の知識も持たずに簡単・便利な食品を買い続けて、それがすべて(美味しい食品)だと麻痺してしまう前に、この本を読めてよかったと思う。
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評価:
— ソニー・ピクチャーズエンタテインメント ¥ 960 (2009-09-02) コメント:「イントゥーザワイルド」をみて、ショーンペンってどんな人なの??と興味をもち監督一作目の本作品を見ました。ずしりと重たかったです。タイトルから予想していた内容とは違う映画で、良い意味で裏切られました。
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評価:
— 角川エンタテインメント ¥ 3,540 (2009-09-25) コメント:他の小津作品とは「何か」が違う。 自分にとってはその「何か」が大きな違和感になっています。
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俺らの世代がいちばんやばそうなモン喰ってんだろうなぁ
低コスト・安売り合戦…自分たちの首を絞めているとだけと思いません?
みりん風調味料さん、コメントありがとうございます。そうなんですよね、コンビニのお握りやファーストフード、特売品の商品って添加物たっぷりでそれ食べてるとそれが美味しくなっちゃうんですよね。
ちょっと割高だったけど国産大豆の納豆食べたら、食感と味の違いにビックリしました。
やっぱり便利だからコンビニのお握りも食べるけど、味覚が狂わない様に心がけたいですね。
「食品の裏側」は単なる問題の報告ではなく、安さには理由があり、自分や子供達のために選択が必要なことを示している良書だと思います。なるべく多くの人に読んで欲しいですね。
とりとりさん、コメントありがとうございます。この本を読む前と読んだ後では、いろんな意識が変わってしまいました。
最近は五感で感じるすべての刺激に添加物がある様な気がして。。ちょっと大げさですが、「音」について次回投稿しますのでお楽しみに!