2013年9月8日(日)の日本経済新聞に
「藍染め筒描の魅力 上」見開きページで紹介されていました。
記事を一部抜粋してご紹介します。
布地に図柄、みなぎる活力
無名の職人たちの粋な技
藤田嗣治愛蔵の筒描
筒描は染色の技法の一つで、藍などで染めた木綿や麻に絵柄や文字を描いて
鮮やかに彩色する。庶民の日用品だが、美術品のような傑作も少なくない。
海外でも注目される筒描の魅力に触れてみよう。
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「山姥と金太郎」「菊慈童」は共に筒描全盛の江戸時代末期の作品と推定され、
素材は木綿。前者は近畿。後者は九州で作られたとみられるが、産地は特定
できないうえ、作者もわからない。この無名性が筒描の特徴だ。
布団、夜着、油単(簞笥などに掛ける布)、赤ちゃんのおくるみ、馬飾り、
風呂敷、暖簾、着物、大漁旗....。
筒描の用途は実に様々だか、基本は町人や商人、農業や漁業に従事する人たちが
日々使う、あるいは慶事にこしらえる品々が主役だ。
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筒描の逸品について遠谷さんは(※1)は
「これほど複雑で流麗な図柄を紺屋(染め物屋)の職人さんたちが描けるかどうか。
絵師が下絵を作ったとしか考えられない」と推測する。だが証拠がない。
筒描の匿名性がこの推論の裏付けを阻んでいる。
(※1 パリのギメ東洋美術館で展示会を企画した
「筒描展実行委委員会」を主催する筒描研究家)
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岩永さんは「絵師がいたかもしれないし、絵手本もあったけれど、絵心のある職人さんが
多かった」とみる。絹の藍染の友禅と違い、筒描ははっきりした分業を採っていない。
豪商などの特注品なら、見本として優れた絵を紺屋に渡したことも考えられる。何より、
目を見張るような技術を持った職人たちが全国にいたと考える方が楽しいような気がする。
今回の特集は、「美の巨人たち」というテレビ東京系列で放送する番組の関連記事のようです。
ここまで藍染の筒描を特集したものは珍しいので見つけて嬉しくなりました。
「筒描展実行委委員会」を主催する筒描研究家)
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岩永さんは「絵師がいたかもしれないし、絵手本もあったけれど、絵心のある職人さんが
多かった」とみる。絹の藍染の友禅と違い、筒描ははっきりした分業を採っていない。
豪商などの特注品なら、見本として優れた絵を紺屋に渡したことも考えられる。何より、
目を見張るような技術を持った職人たちが全国にいたと考える方が楽しいような気がする。
今回の特集は、「美の巨人たち」というテレビ東京系列で放送する番組の関連記事のようです。
ここまで藍染の筒描を特集したものは珍しいので見つけて嬉しくなりました。