「エロス+虐殺」 吉田喜重 監督
1回見ただけでは、ちょっと理解できなくて、、、
だけど真剣に向き合って大真面目に作ってる重たさと
現代には風化してしまったような
「美学」が詰ってる感がすごくて。。
こんな映画が存在していた、って事が驚きです。
俳優さん女優さんの「声」が美しく
ラジオドラマを見ているようでした。
美しいのは声だけじゃなくて、
各シーン、スキがない。
☆
少し前に、北山修さん
精神分析医(作詞家/ミュージシャンでもあります)の
「最後の授業」という番組があって、
人間の心には表と裏側があって、どちらも表裏一体つながって
どちらかだけもありえないし、バランスをとらないと崩れてしまう
みたいな事を話されていて、とても興味深くて印象に残って、、
この映画(この監督といった方が正しいのかな、)
人間の本性とでもいうのかな
きれい事じゃない、裏側への切り込みがスゴっ。
☆
「小津安二郎」
この監督の作品に夢中になって
いろんな関連本も読みあさるようになって
「岡田茉莉子」「吉田喜重」
「里見弴」「志賀直哉」「永井荷風」
みたいな気になるキーワードが集まって、
いろいろ関連を調べていたら
『エロス+虐殺」これは見なきゃ!と。
この映画は(吉田喜重監督作は)小津映画と真逆
小津映画が表なら、吉田作品は裏、みたいな関係に感じた。。。。
『エロス+虐殺」
大正時代に実在したアナーキスト大杉栄という人物を中心に
私生活での三角関係(?四角関係?)や現在と過去の出来事
いろんな事が混在しながら実験的な映像も織り交ぜられるストーリー。
~夢としての映画、そして夢だからこそ許される演技であり、
半世紀以前の大正年間に生きた大杉栄や伊藤野枝を観客が
いまふたたび生きることでもあったのだろう。
「女優岡田茉莉子より」
監督の吉田喜重
吉田喜重が語る小津安二郎の映画世界 [DVD]
を見た時に、すごい嫌悪感があって
これ以上、この人の作品を見る事はないなぁ、、と
思ったけど、何と、、、岡田茉莉子さんのご主人で
小津監督とは、逸話も残っていて、、
本になっている「小津安二郎の反映画」
DVDと同じ内容を本にしたものだったけど本は読みやすかった。
~ぼくの生活条件として、なんでもないことは流行に従う、
重大な事は道徳に従う。芸術のことは僕に従う……。
~僕はトウフ屋だからトウフしか作らないと、いつもいっているんです。
同じ人間が、そんなにいろいろな映画をつくれませんよ。
…..ひとには同じように見えても、僕自身はひとつひとつに
新しいものを表現し、新しい興味で作品に取りかかっているのです。
何枚も同じバラを描き続けている画家さんと一緒ですよ。
~映画はドラマだ、アクシデントではない。
結局、小津さんの言葉が一番読みたかった事で、
反復とズレの末に迎える結末、みたいな解釈は
ひとつの見方にすぎなくて、それに縛られたくないけれど
この人、ちょっと、、、
小津監督に興味を持てば持つほど気になる人です。
岡田茉莉子
印象に残る女優さんですね
体全体の、しなやなか身のこなしで演技されている。
顔の表情や声のトーン、見とれてしまう。。。
「女優岡田茉莉子」
岡田時彦(英パン)さんがお父さんで(サイレント時代の小津映画俳優)
小津監督ともとても交流が深かった事や
こないだブログにも書いた「レインボーマン」
ヤマトタケシのお父さん役だった小泉博さんと
東宝演技研究所で同期だったりと
何か同級生の日記を読む様に楽しく読んでしまいました。
この本を読むと、見たい映画や読みたい本ががたくさんあって、、
忘れない様にメモしておきます(個人的な備忘録なのでご了承を)
映画デビュー作「舞姫」監督:成瀬巳喜男/原作:川端康成 を見てみたいなぁ。
「流れる」監督:成瀬巳喜男/豪華キャスト(杉村春子さん、高峰秀子さんも)
「嵐を呼ぶ十八人」監督:吉田喜重 コマーシャルベースに背を
「秋津温泉」監督:吉田喜重/百本記念映画
(長門裕之さんの前の芥川比呂志さんのシーンも見てみたい。。)
「香華」監督:木下恵介/婚約が決まり小津監督入院中の作品~良き時代の最後の映画
「告白的女優論」監督:吉田喜重/浅岡ルリ子・有馬稲子・岡田茉莉子 主演
「序の舞」監督:中島貞夫/原作:宮尾登美子 上村松園さんとその母の物語
「人間の証明」監督:佐藤純彌/製作:角川春樹/原作:森村誠一
「鏡の女たち」監督:吉田喜重/
小津安二郎の「東京物語」とは逆のベクトルの痛ましい旅(蓮貫重彦)
それから!それから!ちょっとビックリだったのが、
小津安二郎と柳宗悦は生前交流があったんですね。。。
「小津安二郎文壇交友録 中公新書 貴田庄著より」
「暗夜行路」志賀直哉
「断腸亭日乗」永井荷風
「桐畑」「鶴亀」「極楽とんぼ」「彼岸花」「秋日和」里見弴
☆
この季節。。「秋日和」小津監督作品
もう一度みたいけど、、次は何を見ようかな~
岡田茉莉子 主演の吉田喜重 作品
気になる。気になる。。。
評価:
岡田 茉莉子 文藝春秋 ¥ 3,000 (2009-10) コメント:岡田茉莉子ファンにはたまらないですね。ご自身の出生から小津監督、ご主人の吉田喜重監督、出演された映画のエピソードが楽しめて見たくなる映画がたくさんです。
|
評価:
吉田 喜重 岩波書店 — (1998-05) コメント:吉田喜重が語る小津安二郎の映画世界 [DVD]より、本になっている方が読みやすかった。「映画はドラマだ、アクシデントではない。」違う解釈も有?
|
評価:
吉田喜重,山田正弘 ジェネオン エンタテインメント ¥ 8,950 (2005-11-25) コメント:ロングバージョン。長くて、濃くて、一度見ただけでは理解できなかった。気合いを入れてすごいテーマに真剣に取り組んだ、特殊な作品である事は理解出来て、もう何十年も経過しているのに古さを感じさせない普遍性を感じました。
|
うわ~凄いタイトル!
10年くらい前、空港で岡田茉莉子さんとご家族をお見かけしました。思ったより小さくて
でも、何だか迫力がある方でした
一緒にいらしたのは監督のご主人だったのかしら?
見てみたいけど、借りるのが恥ずかしいタイトルだわ~ ココ
ほんと!すごいタイトル。
あの男前は細川さんかな?いい声の。
北山修さんって「千の風になって」の詩を書いた人かな?
岡田茉莉子さんはサスペンスドラマに欠かせない女優さん。若い頃はさらに美人だったんだね。
染裕くんは小津監督をとことん調べてるんだね。
すごい!!
コメントありがとうございます~
ココさんお誕生日おめでとう
(遅れて、こんなとこからでゴメンね)
LORINAのソーダー見つけて飲んでみたよ、
炭酸が効いてて美味しいね
ちょっと贅沢気分になりました♪
ああ~、うらやましい。。。
一度、お会いしてみたいです。。。
☆
ももさん、こんちわ!
そうそう、細川俊之さん
すっごく魅力的
「千の風になって」はたぶん新井満さんで
北山修さんはフォーク・クルセダーズだった人で、「あの素晴らしい愛をもう一度」なんかの作詞でも有名な方です。(NHK FMのパーソナリティーなんかもされてますよ)
そうか~、TVはほとんど見ないんだけどサスペンスドラマにも出演されてるんだね。。
小津作品って本当に魅力的なのね。。。
はまってしまった。。のね。。
こまった、こまった。。なのね。。。
そうか、そうだったか。
1つアタリ、1つハズレ。
あたしはテレビっ子なので・・・。
とことん追究してる姿がすごいね!
映像の勉強もしてたの?
momoさん
月末のイベントには参加されるみたいですね、お会いできるのを楽しみにしてま~す
映像は勉強してた訳じゃないけど、、すごいな~。。としみじみ思うわけでありまして、、こういった感動を染めに還元させます。ハイ。